下書きの絵の線はキチンと閉じているか?
フォトショップ、イラストレーターに限らず、描画ソフトは色を塗りたい範囲を上手く洗濯できるかどうかが重要なポイントです。
その為、輪郭線などの色と色の境目がハッキリしている必要があります。
線が閉じていると言うのは1つの範囲の線の端々が、キチンとつながっているということで、例えば今回の作品ともう1つの例(丸い顔)を比べてみると、赤丸で囲まれた部分は線が閉じていません。赤丸で囲まれたような部分が多いと、例えばこの場合、顔の肌の部分だけを選択するのが難しくなります。
まずは重なり合う部分をレイヤーで大まかにわける
ちょっと高度な描画ソフトを使用すると、画像の階層分けレイヤーなどで行えるようになります。ハッキリとレイヤーになっていなくても、前後関係を変えることが出来るだけのソフト(Wordでも出来ますよね)もあります。
まず、絵が重なり合っている部分を簡単にレイヤー機能で階層にわけておきます。この後、更に細かくレイヤー分けするのですが、1つ1つのパーツを選択しやすくするためです。
ちなみにここからのやり方は数多くあって、今回の場合、たまたまこの手順が手っ取り早いだろうと思ってこうしていますが、場合によって、もしくは人によってやり方は大きく異なります。
各パーツを選択して色を塗りつつ、
すべてのパーツごとにレイヤーを作成する
イラストの顔のパーツごとに色をつけてレイヤーを作成し分けていきます。これは非常に重要な作業なので、ここに至る手順はともかく、これは誰もがやると思います。
目的としては、この後に描くパーツごとによりリアルに見せるために陰影を施したりするのですが、各パーツにつけた色が他のパーツにかぶったりしないようにするためです。
多くのフォトショップ作業者(一般の人)はマウスを使っていると思うのですが、マウスはそれほど器用に動くものではないので、鉛筆で描くほど細かい動きがで来ません。そのため、簡単に色がはみ出してしまうので、はみ出しても問題が内容に画像をわけてしまいます。
また、フィルター効果やレイヤースタイル、描画モードといったものを使い分ける上でも、レイヤー分けは重要な作業です。
ちなみに、パーツが真っ白なものは便宜上背景に色を付けてあります。
陰影を付ける、50%グレーとハードライトを使いこなす
陰影を付ける場合や色を加える場合、せっかくレイヤー機能があるのですから、元の色を直接変えてしまっては後々元に戻しづらくなってしまいます。フォトショップでは色を塗る時は基本的に新規レイヤーで塗り重ねていきます。
その時に、最も便利だと私が感じているのが、50%グレーとハードライト(描画モード)の組み合わせで陰影を上から重ねる技です。
例を見てください。
黄色に色を塗ったレイヤーの上に50%グレーのレイヤーウィ重ねて描画モードでハードライトを指定します。
すると、50%グレーはまるで透明のように何の効果も黄色に与えません。
では、もう1つの例を見てみるとどうでしょう。
グレーを30%、50%、70%と段階をつけてみました。
同じように描画モードのハードライトで重ね合わせます。
すると、黄色の明るさだけが、「20%明るくなる」「変化なし」「20%暗くなる」と変化します。
つまり、描画モードのハードライトは50%の明るさを境に下の画像にその明るさの差を反映させます。
※グレー以外の画像では、上の画像の色が影響を与えるので、効果が異なります。
この、50%グレーとハードライトの合わせ技を利用して、陰影を描き加えます。
クリッピングマスクを知っておこう!!
クリッピングマスクは下の絵の範囲に対してだけ、上の絵の影響が表れるというものです。
イラストレーターにもフォトショップにもその昨日はありますが、設定の仕方が少し異なります。ここではフォトショップの設定の仕方について解説します。
例を見てください。緑の円の上に新しいレイヤーでオレンジの円を描き加えます。このオレンジの円にクリッピングマスクを適用すると、緑の円と重なり合う部分だけが切り抜いたように緑の円に影響を与えます。
これがクリッピングマスクです。
設定の仕方はレイヤーを選択した状態で【ツールバー】の【レイヤー】からクリッピングマスクを選択するか、クリッピングマスクを設定したいレイヤーとレイヤーの間を【alt】キーを押しながらマウスでクリックします。すると、クリッピングマスクが設定されます。
2つの技をあわせて実践しましょう!!
髪に陰影をつける。
まず、陰影を付けるためのレイヤーを髪の画像の上に作ります。
そのレイヤーを50%グレーで塗りつぶし、ハードライト、クリッピングマスクを設定します。これで、新しく作ったレイヤーは一見無いのと同じになります。
陰影は適当に施すので、ブラシを使います。
ブラシの直径を大きくして、硬さを無くします。これでぼやけた色をうっすらと塗り重ねていきます。ブラシの不透明度や流量は10%前後か、それ以下で設定した方が無難です。
後はもう好きなようにしたら良いのですが、色はグレーが基本です。明るいグレーで明るくして、暗いグレーで暗くします。
陰影を付けたら、今度は色を加えます。
色はハードライトではなく、通常モードで基本的にはOKです。例ではオレンジを薄く重ねています。
2つの技をあわせて実践、顔の陰影
ここは例を挙げて簡単に。
ハードライトで陰影を加えます。
これだけでも良いのですが、ちょっと生気に欠けるので、色を加えていきます。
生気を与えるにはピンクを描き加えます。化粧のつもりで塗り重ねると良いと思いますが、やり過ぎないのがポイントです。
更に、オレンジで健康な感じにします。
オレンジは肌に塗り重ねるには最適な色です。うっすらと加えることにより、陰影がより自然に馴染でみえます。
後は同じことを繰り返して完成です
技術はこれだけあれば充分だと思います。
後は根気の勝負です。
フォトショップやイラストレーターでの彩色は細かいところもキレイにできる分、手間の嵐です。
根気よく作業を続けることが上手に仕上げるコツだと思います。
ちなみに、陰影の付け方のコツは非常に難しいと思うのですが、全ての絵に共通することなので、色々なところで細かく解説をしていきたいと思います。
基本的には描いて、描き続けて覚えましょう。
【イラストの描き方】イラスト風の顔の描き方講座の一覧はここから >>
【イラストの描き方】クーピーでの似顔イラストの描き方講座の一覧はここから >>