目は口ほどにものを言う
上(ページトップ)にざっと並んだ表情は、単純な線で構成された通常の顔の上まぶたに当たる曲線を変えただけのものです。
別の講座の項目、「絵画とイラストの違いってなんでしょう?」でも説明したように、イラストの顔は見る人の持っている認識や常識と上手く結びつけることで様々な表現をします。
ここで扱う上まぶたの動きと言うのは、この一般的な認識を利用するものです。
この講座では、イラスト風の顔を描く場合の目の主な役割である、感情と性格の表現を学びます。
人は前向きな時ほど緊張感が薄れる
表情と言うのは無数の筋肉の動きで構成されています。
筋肉の基本的な動きは収縮(緊張)と膨張(解放)です。
これはそのままその人の心理状態を表します。心理的な緊張状態は、筋肉を収縮させます。一方で、心理的な解放状態は筋肉を解放します。
筋肉が解放されると、目は見開かれます。
また、筋肉が縮小した状態では、目頭に力が入ったり、目が細くなります。
右の例を見てみましょう。
上まぶたが上に向かって伸びた状態は開放的な印象で、ボジティブなイメージを与え、上まぶたが下にさがった状態では緊張感のある、ネガティブなイメージを与えています。
人は不信感を感じる時ほど緊張する
通常の表情から上まぶたの曲線を中央よりにすると、いかにも不信感を抱いているように見えます。
これは、人は相手に不信感を抱いている状態や、警戒している状態のとき、緊張と集中をするので、目頭に力が入ります。目頭にシワが寄るというやつです。
一方、逆に上まぶたの曲線を顔の中央から離していくと、挑戦的な表情になっていきます。
これは、警戒時は内面に向かっているネガティブな思考が挑戦時は外側に向かってポジティブに働くので、意識を集中する点が鼻の頭辺りの全面に押し出てくるからです。
ボジティブで挑戦的に
ポジティブに上まぶたをあげて、外側に寄せると、より挑戦的になります。
一方で、ネガティブに上まぶたを下げて、警戒心を持たせて中央に寄せると、より不信感を強く抱いた表情になります。
掛け合わせるとどうなるの?
複数の上まぶたのラインを掛け合わせるとどうなるのでしょうか?
実際に例を見ると分かりますが、基本的には表情は眼球に近いラインの影響を強く受けます。
眼球に遠い方のラインが全く表情に影響を与えないかというと、それは違いますが、それほどの効果は期待できません。
左右のバランスが狂うのは裏表があるとき
右と左で上まぶたの形を変えてみましょう。
このように左右の目つきを変えると、まるで疑いを持ったような顔つきになります。
これは実際の人間でもそうですが、迷いは、信じる心と疑いの心、2つの感情がせめぎあう現象です。それは表情にも現れます。
人は演技をしていたり、本心からの反応でない場合、左右の表情のバランスが崩れる傾向があります。
また、このような反応を示すのは感情の裏表を操る余裕がある証拠なので、相手のことを実は馬鹿にしていたり、相手の立場を自分よりも下に見ている証拠でもあります。
そういった意味では自信家の人の顔を描く時などは、左右のバランスをわざと表すことで、自信家のように見せることも出来ます。
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